自主洗脳の悲哀

弊社は一族経営の独裁企業である。当然、社長は神様同然。社員全員が時には崇め奉り、時には畏怖する。

私の近辺では、常に社長礼讃の会話が絶えない。

「社長はすごい」
「社長に逆らうとマズい」
「社長に目をつけられないようにしなければ」

これを、社員間で延々話している。相互に洗脳し合っているのだ。

このような洗脳の発端は、主に古株で会社にしがみつかざるを得ない事情を抱える者や、学校教育の過程で権力者に服従することを刷り込まれた「真面目」な者である。

権力者を権力者たらしめるのは、服従する者自身である。それを自覚しているのかいないのかは定かではないが、服従者が服従者を再生産するという悲劇(喜劇?)が存在するのである。